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ゼネコンの職種一覧|施工管理・設計・積算・営業・技術研究の役割

ゼネコンの職種一覧|施工管理・設計・積算・営業・技術研究の役割

ゼネコンの職種とは、総合建設会社(ゼネコン)の中で、建設プロジェクトを受注から完成まで担う9種類のポジション(施工管理・意匠設計・構造設計・設備設計・積算・技術研究所・設備エンジニアリング・営業・調達/事務系の総務・人事・経理などバックオフィスは別枠で扱う)を指します。大きくは技術系(施工管理・設計3領域・積算・技術研究所・設備エンジニアリング)と事務系(営業・調達)に分かれ、それぞれ資格要件・年収レンジ・キャリアパスが異なります。

新卒・中途でゼネコンを志望するとき、「施工管理と設計の違いが曖昧」「積算や技術研究所がどんな仕事か分からない」「どの職種が自分に向いているか判断軸がない」という悩みは少なくありません。会社比較の記事は多いものの、職種軸で全体像を整理した資料は意外と手薄です。

本記事では、ゼネコン9職種の役割・年収レンジ・キャリアパスをスーパーゼネコン上場4社の有価証券報告書とタテルート編集部の求人票観測で裏付けながら、新卒・中途の入り方、自分に合う職種を見極める4つの判断軸までを一本で整理します。

  1. 先に結論
  2. この記事で分かること
  3. ゼネコンの職種一覧マップ|3系統・9職種の全体像
    1. 3系統で見る職種体系
    2. 9職種の役割早見表|一覧でまず全体像をつかむ
    3. 施工管理の内訳|建築・土木・設備・電気
  4. 【技術系】施工管理職|ゼネコンの主力職種の役割と年収
    1. 施工管理の仕事内容|5大管理の内訳
    2. 施工管理の1日のタイムライン
    3. 施工管理の年収レンジ
    4. 施工管理のキャリアパス
    5. 施工管理に向いている人・向いていない人
  5. 【技術系】設計職|意匠・構造・設備の3領域と役割
    1. 設計3領域の役割
    2. 設計職の1日のタイムライン
    3. 設計職の年収レンジ
    4. 設計職に向いている人
  6. 【技術系】積算・技術研究所|ゼネコンならではの専門職
    1. 積算職の役割
    2. 技術研究所の役割
    3. 積算・技術研究所の年収レンジ
  7. 【技術系】設備・エンジニアリング職|プラント・工場・インフラ
  8. 【事務系】営業・調達・事務|ゼネコンの受注と管理
    1. 営業職の役割
    2. 調達職の役割
    3. 事務職の役割
    4. 営業・調達・事務の年収レンジ
  9. ゼネコンの職種別年収レンジ早見表|有報と求人票で見る
    1. 職種で年収差が付きにくい理由
  10. ゼネコン職種への入り方|新卒・中途・社内異動の3ルート
    1. 1. 新卒総合職|最も一般的な入り方
    2. 2. 中途採用|実務経験ベースで職種を指定して入る
    3. 3. 社内異動|施工管理→内勤部門への異動
  11. 自分に合うゼネコン職種の選び方|4つの判断軸
    1. 判断軸1:「現場 or 内勤」
    2. 判断軸2:「上流 or 下流」
    3. 判断軸3:「個人技術 or チーム統括」
    4. 判断軸4:「資格依存度」
    5. ケース別の判断例
  12. 2024年問題と担い手3法|ゼネコン各職種への影響
    1. 2024年問題(時間外労働上限規制)
    2. 第三次・担い手3法(2025年12月12日全面施行)
  13. よくある質問
    1. Q1. ゼネコンの職種で一番採用人数が多いのは?
    2. Q2. 設計職は中途入社しづらいと聞くが本当?
    3. Q3. 事務系と技術系で給与差はある?
    4. Q4. 施工管理と設計、どちらが残業が多い?
    5. Q5. 技術研究所の採用枠は?
    6. Q6. 営業職は未経験でも入れる?
    7. Q7. 施工管理から設計への異動は可能?
    8. Q8. ゼネコンで海外勤務ができる職種は?
    9. Q9. 技術系で女性が活躍している職種は?
    10. Q10. 1級建築士と1級建築施工管理技士、どちらを目指すべき?
    11. Q11. 積算職は将来AIに置き換えられる?
    12. Q12. ゼネコン子会社(グループ会社)の職種体系は本体と同じ?
    13. Q13. 準大手・中堅ゼネコンでも職種体系は同じ?
    14. Q14. 施工管理の工種(建築・土木)で年収差はある?
    15. Q15. ゼネコン以外の建設業界で類似の職種に就ける会社は?
  14. まとめ
    1. 年収・転職でお悩みの方へ

先に結論

  • ゼネコンの職種は技術系(施工管理・設計・積算・技術研究所・設備エンジニアリング)と事務系(営業・調達・事務)の2大系統・9種類に大別される
  • プロジェクト数で見ると配属の中心は施工管理で、スーパーゼネコン技術系採用の過半数を占めるケースが多い(各社採用ページで公表されている近年の新卒採用計画の内訳を比較した編集部確認)
  • 設計は意匠・構造・設備の3領域に分かれ、1級建築士など資格と連動したキャリアになる
  • 年収は職種間で大きく差はつかず、役職と1級施工管理技士・1級建築士の資格取得が年収カーブを決める構造(スーパーゼネコン上場4社の有価証券報告書に記載された平均年収は全社員平均で900万〜1,100万円台)
  • 自分に合う職種は「現場 or 内勤」「上流 or 下流」「個人技術 or チーム統括」「資格依存度の高低」の4軸で見極めるとブレない

この記事で分かること

  • ゼネコンの職種体系を3系統9種類で俯瞰する全体マップ
  • 施工管理・意匠設計・構造設計・設備設計・積算・技術研究所・設備エンジニアリング・営業・調達の役割と1日の流れ
  • 職種別の年収レンジ(スーパーゼネコン上場4社の有報と編集部の求人票観測ベース)
  • 新卒総合職・中途・社内異動の3ルートでゼネコン職種に入る方法
  • 2024年問題と2025年12月12日に全面施行された第三次・担い手3法が各職種に与える影響
  • 自分に合う職種を見極める4つの判断軸と、ケース別の進路選択
  • ゼネコン職種に関するよくある疑問(FAQ 15問)

ゼネコンの職種一覧マップ|3系統・9職種の全体像

ゼネコンの職種は、建設プロジェクトのバリューチェーン(受注→設計→施工→引渡し→アフター)に沿って配置されています。まず全体マップを押さえましょう。

3系統で見る職種体系

系統 主な職種(本記事で扱う9職種) 採用規模の傾向 代表的な資格
技術系(現場寄り) 施工管理(建築・土木・設備・電気の4工種) 技術系採用の中心 1級施工管理技士(監理技術者)
技術系(内勤寄り) 意匠設計/構造設計/設備設計/積算/技術研究所/設備エンジニアリング 技術系採用の2〜4割前後 1級建築士・技術士・建築積算士
事務系 営業/調達 全体の1〜2割前後 宅地建物取引士・簿記

本記事で扱う9職種は「建設プロジェクトに直接関わる職種」に絞っています。バックオフィス(総務・人事・経理・法務・現場事務)は会社運営に欠かせないポジションですが、業界共通の一般事務系職種のため、本記事では個別詳細には立ち入りません。

タテルート編集部が2026年9月〜10月にスーパーゼネコン上場4社(鹿島建設・大林組・清水建設・大成建設)の新卒採用ページ(各社の2027年卒向け採用情報)と有価証券報告書(2024〜2025年度開示)を確認した範囲では、新卒採用の技術系:事務系比率はおおむね8:2〜7:3のレンジで、技術系の内訳では施工管理の採用枠が最も大きく、設計・積算・技術研究所が残りを占める構造が共通する傾向でした。ただし各社の採用計画数は年度ごとに変動するため、具体的な採用人数は各社の最新採用ページで個別に確認してください。竹中工務店は非上場のため有報は提出していませんが、採用ページで同様の職種体系が公表されています。

9職種の役割早見表|一覧でまず全体像をつかむ

# 職種 系統 主な役割 配置先 想定キャリアゴール
1 施工管理 技術系 現場の品質・原価・工程・安全・環境を統括 現場事務所 現場所長・支店長・役員
2 意匠設計 技術系 建築のデザインと平面構成を設計 本店・支店の設計部 設計部長・一級建築士
3 構造設計 技術系 骨組みの構造計算と部材選定 本店の構造設計部 構造設計一級建築士・構造部長
4 設備設計 技術系 空調・衛生・電気・給排水の設備設計 本店の設備設計部 設備設計一級建築士・設備部長
5 積算 技術系 工事費の見積りと数量算出 本店・支店の積算部 建築積算士・積算部長
6 技術研究所 技術系 新工法・新材料・耐震/環境技術の研究開発 研究所 博士取得・技監
7 設備エンジニアリング 技術系 プラント・工場・インフラの設計施工 本店プロジェクト部 技術士・海外案件所長
8 営業 事務系 発注者の案件情報取得・受注活動 本店・支店の営業部 営業部長・役員
9 調達 事務系 資材・協力会社の発注と価格交渉 本店・支店の購買部 調達部長

ゼネコンの会社そのものの比較はスーパーゼネコン比較記事、準大手ゼネコン一覧、地場ゼネコンへの就職で整理しています。ゼネコン以外の建設就職先を検討したい場合はゼネコン以外の建設就職6業態を参照してください。

施工管理の内訳|建築・土木・設備・電気

施工管理職はさらに扱う工種で4区分に分かれます。採用時点で工種別に分けている会社もあれば、入社後の配属で決まる会社もあります。

  • 建築施工管理:オフィスビル・マンション・工場・病院など「建物」を扱う。スーパーゼネコンの採用人数で最も多い区分
  • 土木施工管理:道路・橋梁・トンネル・ダム・港湾など「土木構造物」を扱う。発注者は公共団体が中心
  • 設備施工管理:空調・衛生・電気などの設備工事を扱う。サブコンに委託する部分と自社で管理する部分がある
  • 電気施工管理:電力・通信・情報インフラの電気工事を扱う。独立した電気工事会社に委託するケースが多いが、ゼネコンでも大規模案件を担当

工種別の違いは建築と土木どっちを選ぶか、施工管理ゼネコンサブコンどっちでも整理しています。

【技術系】施工管理職|ゼネコンの主力職種の役割と年収

施工管理はゼネコンで最も人員が多い職種で、プロジェクトの現場責任者として品質・原価・工程・安全・環境(QCDSE)の5大管理を担います。

施工管理の仕事内容|5大管理の内訳

管理領域 具体的な業務
品質管理(Q) 施工計画書作成・検査立会・是正指示・品質記録
原価管理(C) 実行予算作成・原価分析・原価差異是正・VE/CD提案
工程管理(D) 工程表作成・進捗確認・調整会議・遅延対策
安全管理(S) 朝礼・新規入場者教育・KY活動・リスクアセスメント・労災対応
環境管理(E) 近隣対応・騒音振動対策・産廃管理・CO₂排出削減

5大管理に加えて、2025年前後の現場ではBIM/CIM(建築・土木の3次元モデルに属性情報を持たせる技術)を活用した設計施工連携や、ICT施工(情報通信技術を活用した施工管理)の導入も進んでいます。

施工管理の1日のタイムライン

時間帯 業務
7:30〜8:00 朝礼・KY活動・当日の工程確認
8:00〜12:00 現場巡回・検査・是正指示・協力会社との打合せ
12:00〜13:00 昼食
13:00〜17:00 現場巡回・施主/設計者との協議・工事写真整理
17:00〜19:00 翌日の段取り・施工計画書作成・原価管理・施工図確認

詳細は施工管理の1日のスケジュールで現場所長補佐の実例まで触れています。

施工管理の年収レンジ

スーパーゼネコン上場4社(鹿島建設・大林組・清水建設・大成建設)の有価証券報告書(2024〜2025年度開示・EDINETで各社個別に確認可能)に記載された平均年収は、全社員平均で900万〜1,100万円台です。これは全社員(技術系・事務系・内勤・現場)を含む平均値であり、施工管理職単独の数値ではない点に注意が必要です。竹中工務店は非上場のため有報は提出していません。

職種別の年収差について、タテルート編集部が2026年8〜9月に大手転職媒体3社(マイナビ転職・doda・求人ボックス)および各社採用ページで、スーパーゼネコン4社・準大手10社の中途採用公開求人票を約120件(施工管理職の中途採用/首都圏・関西圏/派遣・海外案件・年収非公開は除外)確認した範囲での提示年収レンジは次のとおりでした。

公開求人提示年収レンジ|施工管理職(編集部観測/対象企業:スーパー4社・準大手10社・2026年8〜9月/約120件)

役職・経験 スーパーゼネコン 準大手 中堅
新卒〜3年目 450〜650万円 400〜550万円 350〜500万円
主任クラス(5〜10年) 650〜900万円 550〜750万円 500〜700万円
課長クラス(10〜15年) 900〜1,200万円 750〜950万円 700〜900万円
所長クラス(15年〜) 1,100〜1,500万円 900〜1,200万円 850〜1,100万円

上記は公開求人の提示レンジを集約した参考値であり、公的統計の代表値ではありません。正確な平均年収は厚生労働省「賃金構造基本統計調査」および各社の有価証券報告書・採用ページで個別に確認してください。年収の詳細はゼネコン年収ランキング、中堅ゼネコン年収ランキングで深掘りしています。

施工管理のキャリアパス

一般的なキャリアパスは「新入社員→現場主任→現場代理人→副所長→現場所長→支店長→役員」です。節目で以下の資格が求められます。

  • 入社3〜5年:2級施工管理技士(主任技術者として全ての現場に配置可能)の取得が目安
  • 入社7〜10年:1級施工管理技士(監理技術者として、元請工事のうち下請契約合計が一定額以上の現場に配置可能)の取得が目安
  • 15年以降:監理技術者講習修了+所長経験を積む

なお、施工管理技術検定は2024年度に受検資格が改正されています。第一次検定は年齢要件を中心に受検しやすくなり、第二次検定には実務経験要件が引き続き設定されています。第一次検定合格者には「技士補」の称号が付与され、1級技士補は特定の要件を満たせば監理技術者補佐として現場に配置できます。受検資格と実務経験の最新基準は、建築・電気・管・造園系は一般財団法人建設業振興基金、土木・建設機械系は一般財団法人全国建設研修センターの最新案内で確認してください。

経営事項審査(経審)での技術職員評価は、1級が監理技術者として、2級が主任技術者として加点対象となり、同じ資格でも加点の性質が異なります。詳細は施工管理技士とはで整理しています。

施工管理に向いている人・向いていない人

  • 向いている人:段取り力がある・体力に自信がある・多くのステークホルダーをまとめることにやりがいを感じる
  • 向いていない人:デスクワーク中心を希望・個人技術で勝負したい・転勤を避けたい

適性判断の詳細は施工管理に向いている人、施工管理に向いていない人で解説しています。

【技術系】設計職|意匠・構造・設備の3領域と役割

ゼネコンの設計部は、建築物を実際に形にするための図面を描き、施工部門と連携してプロジェクトを進めます。設計事務所との違いは、自社で施工を担うことを前提に、施工性・コスト・工期までを設計段階で織り込む点にあります。設計事務所中心の建築コンサル業態との差は建設コンサルタントとゼネコンの違いでさらに整理しています。

設計3領域の役割

設計領域 主な業務 代表的な資格
意匠設計 建物のデザイン・平面計画・外装内装・法規チェック 1級建築士
構造設計 柱・梁・基礎などの構造計算・耐震設計・部材選定 構造設計一級建築士
設備設計 空調・衛生・電気・給排水設備の設計 設備設計一級建築士

設計職の1日のタイムライン

時間帯 業務
9:00〜12:00 図面作成(CAD・BIM)・法規チェック・施主提案資料作成
12:00〜13:00 昼食
13:00〜18:00 施主との打合せ・施工部門との設計変更協議・社内レビュー
18:00〜20:00 詳細図面作成・納まり検討・資料整理

設計職の年収レンジ

公開求人提示年収レンジ|設計職(編集部観測/対象企業:スーパー4社・準大手6社の計10社・2026年8〜9月/約40件/首都圏関西圏・派遣除外)

役職・経験 スーパーゼネコン 準大手
新卒〜3年目 450〜600万円 400〜550万円
主任クラス(5〜10年) 650〜900万円 550〜750万円
課長クラス(10年〜) 900〜1,200万円 750〜950万円

上記は公開求人の提示レンジの集約値であり、公的統計の代表値ではありません。施工管理と比べて現場手当が付かない分、同じ役職ではやや低めになることがありますが、1級建築士取得後は資格手当(月2〜5万円程度の例が多い)が付与される会社もあります。

設計職に向いている人

  • 建築デザインに強い関心がある
  • 1級建築士資格の取得にコミットできる
  • 施工との連携を重視し、絵に描いた餅ではない設計を志向する

【技術系】積算・技術研究所|ゼネコンならではの専門職

積算職の役割

積算は、工事の見積りを作成し、受注前の提案価格から契約金額、実行予算の算出までを担うポジションです。設計図から数量を拾い出し、材料費・労務費・外注費を積み上げて工事費を算出します。

  • 業務内容:数量算出(内訳明細書作成)・市況価格の調査・外注先見積依頼・積算根拠書類作成
  • 代表的な資格:建築積算士(公益社団法人日本建築積算協会)
  • 向いている人:数字に強い・緻密な作業が得意・市場価格の動向に関心がある

積算は社内異動や中途入社で担うポジションが多く、新卒配属は少数派です。積算への中途転職の実務は積算への転職で整理しています。

技術研究所の役割

スーパーゼネコン各社は、都心または郊外に自社の技術研究所を保有し、新工法・新材料の開発、耐震・環境技術の研究、BIM/CIM・AI活用の技術開発などを行います。

  • 業務内容:構造実験・材料試験・工法開発・論文発表・特許出願・社会実装
  • 採用経路:大学院修士・博士課程からの新卒採用がほぼ全て
  • 想定キャリア:博士学位取得・学会での発表・技監(技術系の最高位)

技術研究所の中途採用は少なく、大学院卒・博士課程修了者の新卒採用が中心です。志望する場合は、研究テーマが各社の研究所の重点領域と合致するかを事前に確認する必要があります。

積算・技術研究所の年収レンジ

編集部が2026年8〜9月に大手転職媒体3社(マイナビ転職・doda・求人ボックス)および各社採用ページで、スーパーゼネコン・準大手計約10社の中途公開求人票(積算・技術研究所の中途採用/首都圏関西圏/派遣・海外・年収非公開除外)を約25件確認した範囲では、技術研究所の研究員はスーパーゼネコンで年収800万〜1,300万円のレンジ、積算は主任クラスで600〜850万円、課長クラスで800〜1,100万円のレンジが目安でした。研究員は研究成果・論文実績・特許件数で評価される傾向があります。

上記は公開求人提示レンジを集約した参考値であり、公的統計の代表値ではありません。採用枠自体が少ないため、提示される求人数も限定的です。

【技術系】設備・エンジニアリング職|プラント・工場・インフラ

一部のスーパーゼネコン(鹿島建設・清水建設・大林組等)は、プラント・工場・エネルギーインフラを扱うエンジニアリング部門を持っています。純粋なプラントエンジニアリング会社(日揮HD・千代田化工建設・東洋エンジニアリング等)とは異なり、「建築+プラント」を一体で設計施工できる点が強みです。

  • 業務内容:プラント設計・大型工場の設計施工・海外案件の計画と施工管理
  • 代表的な資格:技術士(機械・電気電子・衛生工学など各部門)
  • 特徴:海外赴任機会が多い・プロジェクト期間が3〜7年と長期・高度な専門性が求められる

プラント業界の全体像はプラント業界への就職で整理しています。

【事務系】営業・調達・事務|ゼネコンの受注と管理

事務系職種は、技術系に比べて採用人数は少ないものの、受注・調達・管理という会社運営の中核を担います。

営業職の役割

ゼネコンの営業は、新規物件の情報収集から受注、契約締結までを担います。発注者は民間(デベロッパー・ハウスメーカー・事業会社・個人オーナー)と公共(国・自治体・公共団体)に分かれます。

  • 業務内容:発注者の案件情報取得・施主ヒアリング・提案書作成・入札対応・契約締結・竣工後のフォロー
  • 代表的な資格:宅地建物取引士・不動産証券化マスター
  • 向いている人:対人折衝が得意・長期的な顧客関係構築にやりがいを感じる・業界知識の継続的な学習に意欲がある

調達職の役割

調達(購買)は、資材と協力会社の発注・価格交渉を担うポジションです。

  • 業務内容:資材発注・市況価格調査・協力会社との単価交渉・下請契約締結・支払管理
  • ポイント:ゼネコンの原価の多くは資材と外注費で構成されるため、調達職の役割は会社の収益に直結します

事務職の役割

事務系には、人事・経理・法務・総務・現場事務(現場に配属される事務担当)などが含まれます。

  • 人事:採用・労務・給与計算・教育研修
  • 経理:決算・資金管理・税務・原価計算
  • 法務:契約書審査・コンプライアンス対応・紛争対応
  • 現場事務:現場所の経理・労務・備品管理

営業・調達・事務の年収レンジ

編集部確認(2026年8〜9月/大手転職媒体3社・各社採用ページ/スーパー4社・準大手6社計10社の中途公開求人票約30件/首都圏関西圏・派遣/年収非公開除外)では、営業職はスーパーゼネコンで、主任クラス650〜900万円、課長クラス900〜1,200万円、部長クラス1,200〜1,600万円が公開求人の提示目安でした。調達・事務は、同役職でおおむね施工管理の90〜95%前後に設定される傾向が見られました。

上記は公開求人提示レンジを集約した参考値であり、公的統計の代表値ではありません。

ゼネコンの職種別年収レンジ早見表|有報と求人票で見る

ここまでの職種別年収を一覧表にまとめます。公開求人票をもとに集約した参考値(編集部観測) で、公的統計の代表値ではない点に留意してください。正確な平均年収は厚生労働省「賃金構造基本統計調査」および各社の有価証券報告書・採用ページで個別に確認してください。

公開求人提示年収レンジ|ゼネコン9職種(編集部観測/対象企業:スーパーゼネコン4社+準大手10社/調査時期:2026年8〜9月/件数:各職種15〜120件/首都圏関西圏/派遣・海外案件・年収非公開は除外)

職種 新卒〜3年目 主任(5〜10年) 課長(10年〜) 部長・所長(15年〜)
施工管理 450〜650万円 650〜900万円 900〜1,200万円 1,100〜1,500万円
意匠設計 450〜600万円 650〜900万円 900〜1,200万円 1,000〜1,400万円
構造設計 500〜650万円 700〜950万円 950〜1,300万円 1,100〜1,500万円
設備設計 450〜600万円 650〜900万円 900〜1,200万円 1,000〜1,400万円
積算 400〜550万円 600〜850万円 800〜1,100万円 950〜1,300万円
技術研究所 500〜700万円 700〜950万円 950〜1,250万円 1,100〜1,500万円
設備エンジニアリング 500〜700万円 700〜1,000万円 1,000〜1,400万円 1,200〜1,700万円
営業 450〜600万円 650〜900万円 900〜1,200万円 1,200〜1,600万円
調達 400〜550万円 600〜850万円 800〜1,100万円 950〜1,300万円

スーパーゼネコン上場4社の有価証券報告書記載の全社員平均年収は900万〜1,100万円台のレンジにあります(2024〜2025年度開示・EDINETで個別確認可)。竹中工務店は非上場のため有報は提出していませんが、採用ページで同水準の初任給が公表されています。

準大手10社の社名別年収は準大手ゼネコン一覧記事、中堅ゼネコンは中堅ゼネコン年収ランキングで詳述しています。建設業全体の職種別年収は建設業 職種別 年収ランキングを参照してください。

職種で年収差が付きにくい理由

ゼネコンでは、職種による給与テーブルの差ではなく、役職(主任→課長→部長)と資格手当(1級施工管理技士・1級建築士)が年収カーブを決める構造になっているケースが多く見られます。したがって、職種選択は年収よりも「どんな働き方をしたいか」「どんな専門性を身につけたいか」で判断するのが現実的です。

ゼネコン職種への入り方|新卒・中途・社内異動の3ルート

1. 新卒総合職|最も一般的な入り方

スーパーゼネコンの新卒採用では、建築系学部出身者は意匠・構造・設備設計、建築・土木施工管理、技術研究所のいずれかに配属されます。土木系学部出身者は土木施工管理、設備系学部出身者は設備設計・設備施工管理が中心です。

事務系は文系学部出身者が中心で、営業・調達・事務のいずれかに配属されます。配属の希望は提出できますが、最終決定は会社側で行われるため、第一志望職種が通らない可能性もあります。配属希望の通し方は配属希望の通し方で整理しています。

27卒・28卒の選考スケジュールや大学別の採用実績、OB訪問の進め方はゼネコン就活新卒で詳述しています。

2. 中途採用|実務経験ベースで職種を指定して入る

中途採用では、応募時点で職種がほぼ確定します。施工管理経験者は施工管理、設計経験者は設計、積算経験者は積算、営業経験者は営業に応募するのが一般的です。

職種を変える転職(例:施工管理→設計)は、ゼネコン間ではハードルが高く、設計補助からのスタートになる可能性が高いです。実務経験の近い職種で中途入社し、入社後に社内異動で希望職種に移るほうが現実的なケースもあります。

中途選考の実際の流れは施工管理の面接で落ちる理由、書類選考が通らない原因で整理しています。

3. 社内異動|施工管理→内勤部門への異動

長年現場で施工管理を担ってきたベテランが、本店・支店の内勤部門(積算・工務・技術・安全・品質)へ異動するケースは一般的です。健康上の理由や家庭の事情で現場勤務が難しくなった場合の受け皿にもなっています。

内勤異動の全体像は施工管理の内勤異動、工務部門の詳細は建設業の工務とはで整理しています。

自分に合うゼネコン職種の選び方|4つの判断軸

職種選択で迷ったら、以下の4軸で自己診断してみてください。

判断軸1:「現場 or 内勤」

  • 現場志向:施工管理・設備施工管理・現場事務
  • 内勤志向:設計・積算・技術研究所・営業・調達・本店事務

現場志向かつ全国転勤を受け入れられる人は施工管理、内勤志向で専門性を深めたい人は設計・積算・技術研究所が適しています。転勤に関する実態はゼネコン転勤多いで詳述しています。

判断軸2:「上流 or 下流」

  • 上流志向:営業・企画・設計(企画段階から関与)
  • 下流志向:施工管理・調達(施工段階の実務が中心)

上流で意思決定に関わりたい人は営業・設計、下流で確実にモノを作り上げたい人は施工管理・調達が合います。

判断軸3:「個人技術 or チーム統括」

  • 個人技術志向:設計(意匠・構造・設備)・技術研究所・積算
  • チーム統括志向:施工管理・営業・調達

個人の専門技術を極めたい人は設計・技術研究所、多数のステークホルダーをまとめる役割にやりがいを感じる人は施工管理・営業が向いています。

判断軸4:「資格依存度」

  • 資格が年収・配置に直結する職種:施工管理(1級施工管理技士)・意匠設計(1級建築士)・構造設計(構造設計一級建築士)・設備設計(設備設計一級建築士)・プラントエンジニアリング(技術士)
  • 資格依存度が相対的に低い職種:営業・調達・事務

資格取得にコミットできる人は技術系、営業ノウハウや交渉力で勝負したい人は事務系が合います。

ケース別の判断例

ケース 推奨職種 理由
建築学科卒・意匠に関心 意匠設計/建築施工管理 設計で1級建築士、施工管理で1級建築施工管理技士のキャリアゴール
土木学科卒・公共工事に関心 土木施工管理 公共工事が中心で、公的インフラに関わるキャリア
理系大学院修了・研究志向 技術研究所/構造設計 研究テーマが各社研究所の重点領域と合致するか要確認
文系・交渉力に自信 営業/調達 事務系採用枠は少ないが競争倍率も相対的に低い場合がある
中途・30代施工管理経験者 施工管理(即戦力) 1級施工管理技士取得者は転職市場での需要が高い傾向

未経験からゼネコン職種を目指す場合は、20代未経験からの施工管理、30代未経験の施工管理転職、40代未経験からの転職が参考になります。

2024年問題と担い手3法|ゼネコン各職種への影響

ゼネコンで働く上で、2024年問題と第三次・担い手3法の影響は職種によって異なります。

2024年問題(時間外労働上限規制)

2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています。原則は月45時間/年360時間、特別条項付き36協定がある場合でも年720時間以内、時間外労働と休日労働の合計で単月100時間未満/複数月平均80時間以内が上限です。違反企業には6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます(出典:厚生労働省「時間外労働の上限規制」)。なお、災害復旧・復興工事には一部の制限緩和特例があります。

  • 現場職(施工管理):最も影響が大きい。4週8閉所(4週間で8日間の現場閉所、業界の働き方改革指標)の達成率は会社・現場で差がありますが、全体として現場閉所日数は増加傾向です。閉所と個人の休日は別概念で、閉所日に別現場に出勤するケースもあります
  • 内勤職(設計・積算・技術研究所・営業・調達):もともと土日休みのケースが多く、2024年問題の影響は相対的に小さい

残業の実態は施工管理の残業時間、スーパーゼネコンの激務度はスーパーゼネコン残業で整理しています。

第三次・担い手3法(2025年12月12日全面施行)

建設業法・入契法・品確法を一体改正した「第三次・担い手3法」は、2024年6月公布から段階的に施行され、2025年12月12日に全面施行されました。3本柱は以下のとおりです。

  1. 労務費の基準・処遇改善(技能労働者の賃金アップにつながる仕組み)
  2. 資材高騰時の労務費しわ寄せ防止(スライド条項の活用促進)
  3. 働き方改革・生産性向上(ICT施工・BIM/CIMの普及)

ゼネコン職種への影響:

  • 営業・調達:契約時点での労務費・資材費の明示が強化され、見積作成時の労力が増加
  • 施工管理:ICT施工・BIM/CIM活用の要請が強まり、既存ベテラン層の学び直しが課題に
  • 設計:BIM/CIMを前提とした設計手法への移行が進む
  • 技術研究所:生産性向上に資する新工法・新材料の研究需要が拡大

出典:国土交通省「第三次・担い手3法」

よくある質問

Q1. ゼネコンの職種で一番採用人数が多いのは?

スーパーゼネコン各社の採用ページを編集部で確認した範囲では、技術系採用の過半数は施工管理(建築施工管理が最多)です。土木施工管理、意匠・構造・設備設計、技術研究所、積算、営業などが残りを占める構成が共通しています。

Q2. 設計職は中途入社しづらいと聞くが本当?

スーパーゼネコンの意匠・構造・設備設計は、新卒配属からのキャリアが中心で、中途採用枠は比較的少なめです。設計事務所経験者や、同業ゼネコンの設計経験者が候補の中心になります。中堅・準大手では中途採用も相対的に多く見られます。

Q3. 事務系と技術系で給与差はある?

スーパーゼネコンでは、同じ年次・役職であれば事務系と技術系で基本給の差は大きくないケースが多いです。ただし、資格手当(1級施工管理技士・1級建築士)や現場手当(施工管理のみ付与されるケース)があるため、トータルの年収では技術系がやや高くなる場合があります。

Q4. 施工管理と設計、どちらが残業が多い?

一般論としては、施工管理の方が繁忙期(引渡し前)の残業が多い傾向があります。ただし、設計も意匠プロポーザル(設計コンペ)の提案期間や、設計変更対応時には残業が増えます。繁忙の波の形が異なると考えるのが実情に近いです。

Q5. 技術研究所の採用枠は?

スーパーゼネコン各社の技術研究所は、新卒で年間数名〜十数名規模の採用です(各社採用ページで公表)。大学院修士・博士課程からの採用が中心で、学部卒は少数派です。研究テーマが各社研究所の重点領域と合致していることが選考の重要なポイントとなります。

Q6. 営業職は未経験でも入れる?

スーパーゼネコンの営業職は、既存顧客(デベロッパー・公共団体)との関係構築が中心のため、新卒採用か、不動産・ハウスメーカー経験者の中途採用が中心です。完全異業種からの中途は選考ハードルが高めです。

Q7. 施工管理から設計への異動は可能?

社内異動制度はあるものの、設計の実務経験ゼロからのスタートになるため、現実的には設計補助からの再出発となるケースが多く見られます。意匠設計への異動よりも、設備設計・積算への異動のほうが相対的に実現しやすい傾向があります。

Q8. ゼネコンで海外勤務ができる職種は?

スーパーゼネコンの海外事業部では、施工管理・設備エンジニアリング・営業が海外赴任の中心です。意匠設計・構造設計も、海外プロジェクトのランドマーク案件では現地駐在するケースがあります。語学力(英語・現地言語)が前提となります。

Q9. 技術系で女性が活躍している職種は?

スーパーゼネコン各社では、意匠設計・構造設計・設備設計・技術研究所などの内勤系に女性比率が高い傾向があります。施工管理も日建連「けんせつ小町」の取組みで徐々に増加しています。女性施工管理の実態は女性施工管理の現実で整理しています。

Q10. 1級建築士と1級建築施工管理技士、どちらを目指すべき?

意匠・構造・設備設計を目指すなら1級建築士、施工管理を目指すなら1級建築施工管理技士が代表的な資格要件です。施工管理と設計を両方経験してキャリアの幅を広げたい場合は、両方の取得を目指す例もあります。資格の詳細は施工管理技士とはを参照してください。

Q11. 積算職は将来AIに置き換えられる?

数量算出の一部はBIM/CIM・AIによる自動化が進んでいますが、市場価格の交渉・工事の特殊性を加味した見積作成・施主への説明は人の判断が引き続き必要です。積算の担当業務の範囲が、単純作業から判断・提案中心に変化していく過程にあると考えるのが実態に近いです。詳細は施工管理の将来性とAIでも触れています。

Q12. ゼネコン子会社(グループ会社)の職種体系は本体と同じ?

ゼネコン子会社(本体の建築・設備・リニューアル子会社など)も、施工管理を中心とした技術系採用が中心です。設計・技術研究所は本体に集約されているケースが多く、子会社では施工管理と営業・調達が主な職種となります。詳細はゼネコン子会社の施工管理で整理しています。

Q13. 準大手・中堅ゼネコンでも職種体系は同じ?

準大手・中堅ゼネコンでも基本的な職種体系は同じですが、技術研究所を保有しない会社もあります。設計部門の規模もスーパーゼネコンより小さく、意匠・構造・設備の兼任があるケースも見られます。詳細は準大手ゼネコン一覧、地場ゼネコン就職で整理しています。

Q14. 施工管理の工種(建築・土木)で年収差はある?

スーパーゼネコンでは、建築施工管理と土木施工管理の基本給差は大きくないケースが多いですが、公共工事中心の土木は民間工事中心の建築に比べて繁閑の波が異なります。残業時間や休日取得の実態で、手取り額に差が出る場合があります。

Q15. ゼネコン以外の建設業界で類似の職種に就ける会社は?

サブコン(設備工事会社)・ハウスメーカー・デベロッパー・建設コンサルタント・プラントエンジニアリング会社など、ゼネコン以外にも類似のキャリアを歩める業態があります。全体像はゼネコン以外の建設就職6業態、専門工事会社とゼネコンの違い、建設コンサルタントとゼネコンの違いで整理しています。

まとめ

ゼネコンの職種は技術系7職種(施工管理・意匠設計・構造設計・設備設計・積算・技術研究所・設備エンジニアリング)と事務系3職種(営業・調達・事務)の2大系統で構成されます。採用の中心は施工管理ですが、設計・積算・技術研究所などの内勤系も専門性を深めるキャリアとして魅力があります。

  • 職種間の年収差はそれほど大きくなく、役職と1級資格の取得が年収カーブを決める構造
  • 自分に合う職種は「現場 or 内勤」「上流 or 下流」「個人技術 or チーム統括」「資格依存度」の4軸で判断する
  • 2024年問題と2025年12月12日に全面施行された第三次・担い手3法は職種によって影響が異なり、特に施工管理と営業・調達への影響が大きい
  • 新卒配属が決まる職種は、入社後の社内異動で変更できる可能性もある
  • 中途採用では応募時点で職種が確定するため、キャリアの軸を定めてから応募する

ゼネコン4層(スーパー・準大手・中堅・地場)ごとの企業比較はスーパーゼネコン比較・準大手ゼネコン一覧・地場ゼネコン就職で、ゼネコン以外の選択肢はゼネコン以外の建設就職6業態で詳述しています。

実際にどんな案件・現場があるかは、建築系の施工管理求人はタテルートの建築施工管理の求人一覧、土木系の施工管理求人はタテルートの土木施工管理の求人一覧、全体はタテルートの施工管理・建設業の求人一覧で確認できます。

運営:株式会社ヘルスベイシス・コンストラクション/タテルート編集部

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