建設業の賃上げ2026とは、国土交通省と建設業主要4団体(日本建設業連合会・全国建設業協会・全国中小建設業協会・建設産業専門団体連合会)が2026年3月19日に「技能者の賃金をおおむね6%上昇させる」ことで申し合わせた、業界横断の技能者処遇改善の総称です。2025年に続く2年目の申し合わせで、2026年春闘の建設業大手は経団連第1回集計で7.63%と全業種平均5.46%を上回りましたが、6%以上を達成した会員企業は日建連で25.5%(2025年調査時点)にとどまるなど、大手と中小の格差が残ります。
賃上げの原資は、2025年12月12日に全面施行された第三次・担い手3法や、公共工事設計労務単価(令和8年3月適用で全国全職種加重平均25,834円、14年連続上昇)、標準労務費制度など、複数の制度が同時に動くことで支えられています。ただし、賃上げの恩恵の大きさは、企業規模・元請下請区分・資格・公共工事比率などで大きく分かれるのが実態です。
本記事は、施工管理者・技能者・転職検討中の方に向けて、2026年の建設業賃上げの全体像と、大手と中小の格差、年代別・職種別年収の傾向、恩恵を受けやすい人と受けにくい人の分かれ目、個人が取れる行動選択肢までを公的データベースで整理します。
先に結論
- 国土交通省と建設業主要4団体は 2026年3月19日 に、技能者の賃金を 「おおむね6%上昇」 させる方針で申し合わせを実施した(前年2025年と同水準の目標)
- 経団連 2026年春闘 第1回集計(2026年5月公表)では、建設業の賃上げ率が 7.63%(月額4万3,922円) と、大手全産業平均5.46%(1万9,964円)を上回った
- 公共工事設計労務単価 は令和8年3月から適用され、全国全職種加重平均で 25,834円(前年度比+4.5%、14年連続の引き上げ) と、初めて25,000円を突破
- 一方、日建連会員企業のうち2025年に 6%以上の賃上げを達成できた企業は25.5% にとどまり、中小や中堅では価格転嫁の遅れから賃上げ原資が細る構造がある
- 賃上げの恩恵を受けやすいのは 1級施工管理技士保有者・大手ゼネコン正社員・公共工事比率の高い企業所属者 で、中小・下請け・専門工事事業者との差は依然として残る
この記事で分かること
- 2026年の建設業賃上げを構成する 3つの柱(政府方針・春闘・公共工事設計労務単価)の全体像
- 大手ゼネコンと中小建設会社の 賃上げ格差 と、その構造的な要因
- 職種別・年代別の年収動向と、2025年統計に基づく最新水準
- 担い手3法(2025年12月12日全面施行) と標準労務費制度、賃上げ原資の関係
- 賃上げの恩恵を 受けやすい人・受けにくい人 の分かれ目6項目
- 個人が2026年の賃上げ波に乗るための 行動選択肢6つ
- 建設業賃上げに関する よくある質問10問 への回答
2026年の建設業賃上げは政府主導・春闘・労務単価の三本立て
2026年の建設業賃上げは、単一の要因ではなく、政府主導の申し合わせ、経団連春闘、公共工事設計労務単価の3つが並行して動いています。ここではそれぞれの数値と時期を整理します。
政府と建設業4団体の「おおむね6%上昇」申し合わせ(2026年3月19日)
国土交通省と建設業主要4団体(日本建設業連合会・全国建設業協会・全国中小建設業協会・建設産業専門団体連合会)の代表は、2026年3月19日に技能者の賃金を 「おおむね6%上昇」させる方針 で申し合わせを実施しました(出典:総合資格navi「2026年4月、建設業の賃上げはどうなる?【第1報】国交省と建設業4団体が6%で申し合わせ」 、および国交省 不動産・建設経済局 建設市場整備課ページで最新の申し合わせ資料を確認)。
この6%は前年2025年の申し合わせと同水準ですが、2025年に 6%以上の賃上げを達成できた会員企業は限定的 でした。同記事によれば以下の割合が報告されています。
| 業界団体 | 2025年に6%以上を達成した企業の割合 | 対象 |
|---|---|---|
| 日本建設業連合会(日建連) | 25.5% | 会員企業(大手・準大手中心) |
| 全国建設業協会(全建) | 16.3% | 技能者を直接雇用する会員企業 |
| 全国建設業協会(全建) | 21.7% | 協力会社との労務単価を6%以上引き上げた会員企業 |
一方、賃上げを実施した企業自体は 各団体で7〜8割 に上っており、6%という高いハードルへの到達率と、賃上げ自体の実施率には乖離があります。
申し合わせの位置づけ
– 業界横断で数値目標を掲げる 自主的取り組み(法的拘束力なし)
– サプライチェーン全体での 価格転嫁 と技能労働者の 処遇改善 が主眼
– 生産性向上(省人化・技術向上)と並行して推進
経団連2026年春闘:建設業7.63%は全業種平均を上回る
経団連の2026年春季労使交渉 第1回集計(2026年5月公表)では、大手企業全体の賃上げ率は 5.46%(月額1万9,964円) と過去最高の金額水準を記録しました(出典:日本経済新聞「賃上げ率3年連続5%超え 26年春季交渉、経団連1次集計」)。
業種別では、建設業が7.63%(月額4万3,922円) と情報通信に次ぐ高水準となり、業種別トップ3を建設が占める場面もありました。竹中工務店をはじめ、建設大手が賃上げ額ランキング上位を独占した点は、2026年春闘の特徴の一つです(出典:日本経済新聞「賃上げ額トップ3、竹中工務店など建設が独占」)。
大手ゼネコンの初任給の水平化
– 大卒 30万円、院卒 32万円 で大手ゼネコン各社がほぼ横並び
– ベースアップと定期昇給を合わせた総額改定率が 6%超 となる企業も報告されている
– 一方、建設業全体の平均初任給は 24.9万円 で、大手との差は約5万円
大手の初任給が事実上の下限として業界内で意識される一方、中小との差は拡大しており、初任給に触れた本サイトの施工管理 手取り 初任給の記事とも合わせて確認するとイメージが持ちやすくなります。
公共工事設計労務単価:令和8年3月適用で14年連続上昇
国土交通省は令和8年(2026年)3月から適用する 公共工事設計労務単価 を、全国全職種加重平均で 25,834円(前年度比+4.5%) と発表しました(出典:国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」)。
主な特徴は以下のとおりです。
- 平成25年度から数えて 14年連続の上昇
- 全国全職種加重平均が 初めて25,000円台 を突破
- 前年度(令和7年3月適用)は24,852円(前年度比+6.0%)で、2年連続の大幅上昇
- 単価には 事業主が負担すべき人件費(必要経費分)は含まれない(下請代金からの除外・減額は不当行為)
労務単価は公共工事の予定価格算出に使う 積算基準 で、直接の賃金ではありませんが、賃金水準の目安として機能してきました。標準労務費制度(担い手3法で導入)と組み合わせることで、末端の技能者賃金への波及が制度的に強化されています。標準労務費の詳細は本サイトの標準労務費とはの記事にまとめています。
大手と中小の賃上げ格差は依然として大きい
2026年の賃上げ動向で最も注目すべきなのは、大手と中小の格差構造です。ここでは数値と要因を分けて整理します。
中小企業の賃上げは4.69%、連合の6%目標には2年連続未達
連合の2026年春闘集計では、中小企業の賃上げ率は 4.69% で、大企業(5.40%前後)との間に0.3〜0.4ポイントの格差が確認されました(出典:日本経済新聞「26年の中小企業賃上げ4.69%、連合の6%目標未達 進まぬ価格転嫁」)。
格差の主因
1. 価格転嫁の遅れ:中東情勢による資材高騰・人件費上昇を、下請け中小が発注元に転嫁しきれない
2. 賃上げ原資の細り:転嫁できない分が利益を圧迫し、翌年の賃上げ体力が下がる
3. 人手不足の深刻化:中小の技能者確保が難しく、既存従業員の負担が増える
建設業でも中堅・中小の賃上げ実施率は伸び悩み
日経クロステックの報道(「建設業の賃上げ月2万円超、大手と中小で格差 実施率は4年ぶり下落」)によれば、以下の傾向が確認されています。
- 建設業における1カ月当たりの1人平均賃金の 引き上げ額は2万724円
- 2025年に平均賃金を「引き上げた」または「引き上げる」と答えた建設業の会社の割合は 89.6% で、2021年以来4年ぶりに下落
- 常用労働者数 100〜299人の中小建設会社 で賃上げ実施率が特に伸び悩み
大手ゼネコンや準大手が横並びで大幅賃上げを実施する一方、中堅・中小では原資確保のハードルが高くなっており、企業規模が転職先選びの判断軸として重みを増しています。企業規模の違いは本サイトの施工管理 大手と中小の違いの記事や準大手ゼネコン一覧の記事でも比較しています。
大手ゼネコン主要各社の2026年賃上げ事例
以下は各社の公表内容と、報道ベースで確認できた主な数値をまとめたものです。個別金額は各社の有価証券報告書や社告で最新版を確認してください。
| 企業 | 2026年賃上げの特徴(報道ベース) |
|---|---|
| 鹿島建設 | 全従業員対象にベースアップ+定期昇給で平均6%超。総合職は一律3万5,000円引き上げ |
| 大手ゼネコン各社 | 大卒初任給30万円・院卒32万円で横並び。総合職の年収レンジも底上げ |
| 竹中工務店ほか | 経団連1次集計で賃上げ額トップ3を建設が独占 |
注意点
– 上表の数値は公表情報の抜粋であり、施工管理職単独の平均ではなく 全社員平均 に基づくケースを含みます
– ベースアップ・定期昇給・賞与のいずれで実現するかは企業ごとに設計が異なります
– 中堅ゼネコンの一覧は本サイトの準大手ゼネコン一覧の記事やゼネコン年収ランキングの記事で確認できます
職種別・年代別の年収動向(2025年最新統計)
賃上げの成果は、平均年収の変化に段階的に表れます。ここでは公的統計・業界調査の数値を、母集団と年度を明示したうえで整理します。
民間集計では建設業平均年収592万円台との報告(2025年)
BUILT編集部の独自集計(「建設業の平均年収は592万円。大手は16%増も中小は減少?」2025年給与動向【独自調査】)は、上場企業などを中心に集計した 民間集計値 で、以下の水準が報告されています。厚生労働省令和7(2025)年賃金構造基本統計調査 等の公的統計とは母集団・集計方法が異なる点にご注意ください。
- 2025年 建設業の平均年収:592万1,000円(前年比+4.8%)
- 全産業平均の前年比 +3.5% を上回る伸び率
- 建設業の主要職種で最も高いのは 建築技術者:679万1,000円
- 電気・ガス・熱供給・水道業(755万4,000円)に次ぐ水準
企業規模別の格差
– 従業員1,000人以上の大企業:前年比+16.0%
– 従業員10〜99人の中小企業:前年比+0.9%
– 大手と中小で伸び率に約17ポイントの差
同記事はBUILT編集部の独自集計に基づいており、賃金構造基本統計調査(令和7年(2025年)版)などの公的統計とは母集団・集計方法が異なる点に注意が必要です。
年代別・役職別の年収レンジ
建設業全体の年代別年収は、業界各種調査を総合すると以下の目安に整理されます。個別の年収は勤務先の企業規模・職種・資格・経験年数で大きく変動するため、あくまで参考値です。
| 年代 | 平均年収レンジの目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 20代 | 350〜450万円 | 未経験・若手の入社時基準。大手は+50〜100万円レンジ |
| 30代 | 500〜650万円 | 1級施工管理技士取得層が増える節目 |
| 40代 | 650〜800万円 | 所長・課長クラスへの昇進で年収差が広がる |
| 50代 | 700〜900万円 | 大手の部長・支店長クラスは1,000万円超も |
| 60代(再雇用含む) | 400〜700万円 | 定年後の嘱託・技術顧問で幅が広い |
注記:上記は厚生労働省賃金構造基本統計調査(令和7年版)(男女計・産業計「建設業」)と、業界メディア各種の公開集計を タテルート編集部が2026年5〜7月に照合・整理した参考レンジ です。対象職種は施工管理職・技術職を中心とした業界全体の目安で、企業単独・特定職種の断定値ではありません。個別企業の年収は有価証券報告書(全社員平均で施工管理職単独の値ではない点に留意)で確認できます。本サイトの建設業 年収 平均の記事や施工管理 年収を上げる方法の記事、ゼネコン年収ランキングの記事、建設業 職種別年収ランキングの記事でより詳細な比較を確認できます。
資格の有無による年収差
賃上げ局面でも、資格の有無で恩恵の大きさが変わります。特に施工管理技士の1級・2級は、経営事項審査(経審)の技術者評価と直結するため、企業側が確保したい人材とされる傾向があります。
- 1級施工管理技士:監理技術者になれる代表的な資格。特定建設業の許可が必要な元請工事のうち下請契約合計が一定額以上となる現場に配置される(配置基準・金額要件は国土交通省「監理技術者制度運用マニュアル」の最新版で要確認)
- 2級施工管理技士:主任技術者として、すべての工事現場の配置義務に対応
- 経審加点:1級は監理技術者として加点/2級は主任技術者として加点
- 資格手当は月3〜5万円レンジが一般的とされる報告がある(企業により異なる)
2024年度から施工管理技術検定の受検資格が改正 されており、第一次検定は年齢要件を中心に受検しやすくなっています(試験機関:一般財団法人建設業振興基金(建築・電気・管・電気通信・造園)、一般財団法人全国建設研修センター(土木・建設機械))。1000万円到達の資格要件は本サイトの施工管理 年収1000万円 資格の記事にまとめています。
賃上げ原資を支える3つの制度改正
2026年の賃上げは、単発の労使交渉ではなく、複数の制度改正によって下支えされています。ここでは主要3つを整理します。
第三次・担い手3法の全面施行(2025年12月12日)
建設業法・入契法・品確法を一体改正した「第三次・担い手3法」は、2024年6月に公布され、段階的な施行を経て 2025年12月12日に全面施行された 制度です(出典:国土交通省「第三次・担い手3法」)。
3本柱
1. 労務費の基準・処遇改善(標準労務費の導入)
2. 資材高騰時の労務費しわ寄せ防止
3. 働き方改革・生産性向上
賃上げの原資を発注段階で確保する仕組みが、法的に位置付けられた点が2026年賃上げの重要な後押しです。改正の詳細は本サイトの改正建設業法2025の記事で解説しています。
標準労務費の導入と適正な労務費確保
標準労務費は、建設工事の労務費を適正に確保するための制度で、公共・民間問わず発注段階から労務費の水準を意識させる仕組みとされています。
- 中央建設業審議会が労務費の基準を作成する枠組みが整備される
- 国交省・都道府県による 勧告制度 の対象範囲・要件は、担い手3法・改正建設業法の政省令で定められている
- 著しく低い労務費での見積り・契約が 勧告対象となり得る 旨、国交省資料で示されている
- 下請への 不当なしわ寄せ防止 が制度趣旨として明記されている
技能者の賃上げが個社の善意ではなく、発注構造から確保される流れが法制化されたことで、中長期的な賃上げの持続性が高まると期待されています。具体的な勧告要件・運用の詳細は国土交通省「第三次・担い手3法」ページ の最新資料で確認してください。制度の位置づけは本サイトの標準労務費とはの記事にまとめています。
2024年問題(時間外労働上限規制)との連動
2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています。原則は 月45時間/年360時間、特別条項付き36協定がある場合でも 年720時間以内、時間外労働と休日労働の合計で 単月100時間未満/複数月平均80時間以内 が上限です。違反企業には 6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金 が科されます(出典:厚生労働省「時間外労働の上限規制」)。なお、災害復旧・復興工事には一部の制限緩和特例があります。
賃上げとの関係
– 残業時間が減る分、時間当たり賃金の底上げが不可欠になる
– 生産性向上への投資が急務となり、賃上げの原資として認識されやすい
– 若年層の入職促進とセットで進む処遇改善策の一つ
2024年問題との関連は、本サイトの建設業 働き方改革 2024年問題の記事や施工管理 2024年問題 働き方改革の記事で詳しく整理しています。
賃上げの恩恵を受けやすい人・受けにくい人
賃上げの平均値だけを見ると業界全体が底上げされているように見えますが、実際の恩恵は個々人で大きく異なります。ここでは6つの分岐ポイントで整理します。
恩恵を受けやすい人の特徴
| 特徴 | 賃上げの伝わり方 |
|---|---|
| 1級施工管理技士を保有 | 資格手当・監理技術者手当が上乗せされやすい |
| 大手ゼネコン・準大手所属 | 春闘の高水準賃上げが直接反映 |
| 公共工事比率が高い企業 | 労務単価・標準労務費の恩恵を受けやすい |
| 元請の技術系総合職 | 会社の粗利改善が個人給与に転嫁されやすい |
| 若年層(20代後半〜30代) | 新卒初任給の底上げ余波で年収レンジが上振れ |
| CCUS(建設キャリアアップシステム)レベル3〜4 | 技能者評価が処遇に接続されやすい |
CCUSの詳細は本サイトのCCUS とは メリットの記事で解説しています。
恩恵を受けにくい人の特徴
以下に該当する場合、業界全体の賃上げ波の恩恵が個人に届きにくい傾向があります。
- 中小・地場ゼネコンの正社員:発注者への価格転嫁が難しく、賃上げ原資が細りやすい
- 専門工事・二次下請け以下:元請の労務単価改善が中間で吸収され、末端まで届かないケースがある
- 派遣・請負契約の技能者:契約更改のタイミング次第で反映が遅れる
- 民間工事中心の企業:公共工事設計労務単価の直接的な波及が限定的
- 役職手当・資格手当なしの一般職:ベースアップの恩恵は受けても、上振れ幅は限定的
- 50代後半以降:定期昇給の頭打ち・役職定年で伸びにくい
年収を上げる具体的な選択肢は本サイトの施工管理 年収を上げる方法の記事や施工管理 年収アップ 転職の記事にまとめています。
個人が2026年の賃上げ波に乗るための6つの行動選択肢
賃上げの恩恵を最大化するには、個人側でも制度・キャリア・所属企業を選び直す視点が必要です。以下は6つの行動選択肢です。
1. 1級・2級施工管理技士の取得タイミングを前倒す
2024年度改正で第一次検定は年齢要件を中心に受検しやすくなっており、実務経験を積む前に第一次検定に合格しておく戦略が取りやすくなっています。第二次検定には実務経験要件が引き続きある点は要注意です。
2. 現職の賃金体系を確認する
確認すべき項目
– ベース給の改定額(月額)
– 賞与への反映有無
– 資格手当・役職手当の水準
– 定期昇給と別建てのベースアップの有無
– 労務単価改定分の技能者給与への反映方法
3. CCUSレベルアップを目指す(技能者の場合)
CCUSは技能者の資格・経験を蓄積する仕組みで、レベル別の技能者処遇改善に接続されつつあります。詳細は本サイトのCCUS とは メリットの記事を参照してください。
4. 転職市場の水準と自社の比較
賃上げ率が業界平均を下回る場合、転職市場では現職の年収以上の提示が出ているケースがあります。判断材料として、施工管理 年収アップ 転職の記事や施工管理 大手と中小の違いの記事を確認する選択肢があります。
5. 公共工事比率の高い企業への転職を検討
労務単価改定の恩恵は、公共工事比率の高い企業ほど受けやすい傾向があります。準大手ゼネコンや中堅の地方名門ゼネコンでも公共工事比率が高い企業があり、準大手ゼネコン一覧の記事で確認できます。
6. キャリア相談を活用する
処遇改善の実感がない、賃上げの流れに乗れているか判断できない場合、外部の相談窓口を情報整理の場として使う選択肢があります。タテルートの無料キャリア相談(LINE)という情報整理の場もあります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「おおむね6%上昇」は個人の給料が6%上がるという意味ですか?
いいえ、業界全体・技能者全体の平均目標であり、個人の給与が一律で6%上がることを保証するものではありません。企業ごとの賃上げ率は日建連会員でも大きくばらつき、6%以上を達成できた企業は2025年時点で25.5%にとどまりました。
Q2. 中小の建設会社でも賃上げは実施されていますか?
多くの中小企業で賃上げは実施されていますが、率は大手より低い傾向が報告されています。連合の集計では中小企業全体の賃上げ率は4.69%で、大企業との差が0.3〜0.4ポイント程度あります。建設業の中小では特に 100〜299人規模 の会社で実施率の伸び悩みが指摘されています。
Q3. 公共工事設計労務単価が上がると、私の給料も上がりますか?
労務単価は公共工事の予定価格を積算する際の基準単価で、直接の賃金ではありません。ただし、標準労務費制度と組み合わせることで、末端の技能者賃金に反映されやすくなる仕組みが法制化されつつあります。反映のタイミング・幅は元請の運用によって変わります。
Q4. 大手ゼネコンの初任給30万円は本当ですか?
複数の大手ゼネコンが2026年4月入社の初任給を大卒30万円・院卒32万円で横並びに設定したことが報道されています(総合資格navi「2026年4月、建設業の賃上げはどうなる?大手は大幅アップ」)。ただし、建設業全体の平均初任給は24.9万円であり、大手と業界平均には約5万円の差があります。
Q5. 賃上げの波は2027年以降も続きますか?
3年連続で春闘賃上げ率が5%を超えており、日建連の2026年度事業計画も技能者処遇改善を主眼としています。ただし、中東情勢による資材高騰や、価格転嫁が進まない中小の賃上げ原資の細りが持続性に影を落とすと指摘されており、単純に「今後も6%が続く」と断定はできません。
Q6. 資格を取ると賃上げ以外にどんなメリットがありますか?
- 監理技術者として現場配置ができる範囲が広がる(1級)
- 経営事項審査での加点対象になる
- 転職市場での希少性が高まる
- 資格手当(月3〜5万円レンジが一般的とされる報告あり)
Q7. 派遣で施工管理をしています。賃上げは受けられますか?
派遣・請負契約は契約更改のタイミング次第で反映が遅れることがあります。派遣先・派遣元の契約単価改定の交渉タイミングを把握しておくことが有効です。派遣と正社員の比較は本サイトの施工管理 派遣と正社員どっちの記事でも整理しています。
Q8. 標準労務費と公共工事設計労務単価は何が違いますか?
- 公共工事設計労務単価:国交省が毎年公表する、公共工事の予定価格を積算する際の基準単価
- 標準労務費:中央建設業審議会が定める、労務費の基準。著しく下回る見積り・契約は勧告対象
標準労務費は公共・民間を問わず適用される点、勧告制度がある点で、公共工事設計労務単価より広い射程を持ちます。
Q9. 建設業の年収は今後、他産業に追いつきますか?
2025年時点で建設業の平均年収は592万円台まで上昇し、全産業平均との差は徐々に縮小傾向にあります。ただし、電気・ガス・熱供給・水道業(755万円台)などとの差は残っています。追いつくかどうかは、価格転嫁の徹底・生産性向上・担い手確保が同時に進むかに依存します。
Q10. 30代の施工管理で、賃上げの流れに乗るには何が優先ですか?
以下の順序で確認するのが有効です。
- 現職の賃上げ率が業界平均(大手7.63%/全産業5.46%)と比べてどの水準か
- 1級施工管理技士の取得状況
- 会社の公共工事比率と価格転嫁の実態
- 転職市場での自分の年収レンジ
- 中長期のキャリアパス(所長・独立・本社スタッフ など)
まとめ
2026年の建設業賃上げは、政府主導の「おおむね6%上昇」申し合わせ、経団連春闘での建設業7.63%、公共工事設計労務単価の14年連続上昇という3つの柱が同時に動く、業界史上でも大きな転換期です。
- 国土交通省と建設業4団体が 2026年3月19日 に技能者賃金「おおむね6%上昇」で申し合わせ
- 経団連 2026年春闘 第1回集計 の建設業は7.63%(月額4万3,922円)、大手全産業平均5.46%を上回る
- 公共工事設計労務単価 は令和8年3月適用で全国全職種加重平均25,834円、初の25,000円台
- 一方で、日建連の 6%達成企業は25.5%、中小の賃上げは4.69%と大手との格差が残る
- 担い手3法(2025年12月12日全面施行)と 標準労務費 が賃上げ原資の制度的裏付け
- 恩恵を受けやすい層は 1級施工管理技士・大手ゼネコン所属・公共工事比率が高い企業所属者
賃上げの波は制度と春闘の両方で下支えされている一方、企業規模・元請下請区分・資格の有無で個人が受ける恩恵は大きく異なります。所属企業の賃上げ実態が業界平均を下回る場合や、伸びしろの余地を測りたい場合は、資格取得・CCUSレベルアップ・転職市場の水準確認といった行動選択肢を並行して検討する価値があります。
判断材料としては、以下の関連記事も合わせて確認するとイメージが持ちやすくなります。
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運営:株式会社ヘルスベイシス・コンストラクション/タテルート編集部
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